いくら実感を伴う真理であっても、またそれによっていくら多くの人の心が癒やされ励まされようと、シルバー・バーチが霊であるという証拠がどこにあるのか。所詮は語り手が事前準備したもの、せいぜいその潜在意識が表面に出て語るものにすぎないのではないか。であればわざわざ霊という奇怪な表現を用いなくてもバーバネル倫理学などといったタイトルにすればいいのではないか。そう思わないこともないわけではないのですが、これについて霊媒つまり語り手であり、ジャーナリストが生業であるモーリス・バーバネル自身がこう語っています。
「年がら年中ものを書く仕事をしている人間から見れば、毎週毎週ぶっつけ本番でこれほど叡智に富んだ教えを素朴な雄弁さで説き続けること自体が、すでに超人的であることをしめしている。」
「永年にわたってその霊言に親しんできた者として、ますます敬意を覚えるようになったこの名文家、文章の達人に私は最敬礼する。」
英語の原文で見ればきっとその美しさ、しかもそれが一切の編集や校正もなく瞬時に紡がれる事実に、奇跡を見る思いがするのでしょう。語り手自身がこのように驚異と敬意を感じていることに、霊言がやはり地上世界に属するものではないという真実性を感じるのです。(「シルバーバーチの霊訓 名言集)