神の愛を伝えたい・・・

シルバーバーチの霊訓より

見た目ではない根源を見据えて

 また聖書の話で恐縮ですが、山をも動かす信仰というのがあって、山に向かって海に入れと疑うことなく信じ続けるならそのとおりになるとイエスが語られたそうです。いくらなんでも、んなことなかろうにと思うのですが、信じる人が死んでからもあの世で信じ続け地上時間にして何十億年もそのまま信じていたなら実現するということなのかもしれません。しかしもしそうだとしても、ここで大事なのは神というか霊力を信じることであって山が海に入ること自体に意味はありません。

 そのような目に見える世界の事は、宇宙のエネルギー全体の作用の中で末端に位置する、いわばなれの果てに過ぎません。

「エネルギーには無限の段階があります。その頂点には大霊がおわします。そして物質は最下層に位置します。」

 ところが人間はそんな目に見える最下層ばかり気にします。最下層の何事かが、最下層の別の何か、別の状態になるように祈ったり願ったり努力したりします。しかし結果と結果を無理やり結びつけることはできません。神と高級霊による無限の創造活動は目には見えない、より高層において活発になされていて、人間もそこに参加するよう促されています。それは霊的活動における醍醐味ではあるでしょう。

 とはいえより高度なエネルギーはより広汎な結果をもたらしますから、それを取り扱って神による無限の創造活動に参加させていただくには大きな責任も伴います。まずその準備として心掛けなくてはならないこと、それが霊力の流れの妨げにならないようにすることです。一人ひとりの背後にいてくださる霊団との協力体制が何よりも重要です。

「霊団との最高の協調関係を作り出すように日常生活を規制すべきです。結果はおのずと出ます。まず家の中を整えてください。(中略)霊の力は万人が受ける権利を持っているのです。霊界側が欲しいのは、喜んで治癒力(霊力)の流入の通路となってくれる人です。」

 家の中というのは文字通り生活や家の片付けもあるでしょうが霊の宮としての心の中を整えるということでしょう。そうしてここでもまた見た目に囚われて裁こうとする心を戒めます。

「善とか悪とかを物的尺度で計るような調子で簡単に口にしてはいけません。善悪の判断基準は私たちとあなた方とでは必ずしも一致しません。」

 このようにしてより根源的な宇宙のエネルギーを手にしたら、それをその人それぞれが形にしていけばいいのです。ここでも霊団の導きを受けることが出来ます。

(「シルバーバーチ最後の啓示」199−207頁)