神の愛を伝えたい・・・

シルバーバーチの霊訓より

アリの目線から鳥の目線へ

 悟る、というのは同じ物事を違う角度から理解するというだけではものたりません。悟る以上は、その人はもう以前とは違うレベルに立っているのです。理解の次元がちがっているのです。

「私どもは自己中心主義、物質万能主義、無知、暗黒等々、人生の楽しさ、明るさ、安らぎを奪う勢力のすべてを一掃すべく努力しております。」

 人生から本来の喜びを奪ってしまうこれらの勢力がなぜ生まれてしまうかというと、人間が地上人生についてしか考えられないからです。それは霊的次元を考慮せず幻影を追い求めているのであり、実に平面的な、いわばアリの目線でしか考えていないということなのです。

「私たちの努力目標は人類が幻を追い求め影を崇めることのないように、霊的真理の実在を得心させることによって人生観を誤った信仰でなく確実な知識の上に確立し、大自然の法則に基づいた本当の宗教心を持ち、たとえ逆境の嵐が吹き荒れ、環境が厳しく、何処に向かうべきかがわからなくなった時でも、”事実”に裏打ちされた信仰心によってあらゆる試練、あらゆる苦難に耐えていけるようにしてあげることです。」

 アリの目線でいるかぎり人生は死んだら終わりです。影が見えなくなったら存在自体が無くなると思っていますから、死ぬまでになんとしても豊かに幸福になりたいと焦るあまりに自己中心主義になり物質万能主義に陥ります。しかし実在は地上に落とす影とは関わりなく、大いなる自我は永遠に続くのです。そのことに目覚めた人は真理についてひとつ悟ったということができます。人生の様々なできごとにいちいち動じることがなくなります。(「シルバー・バーチの霊訓5」5章)