神の愛を伝えたい・・・

シルバーバーチの霊訓より

これからは霊と精神の時代

 霊的真理の伝道師であるシルバーバーチが地上に降下したのは今からちょうど百年前、1920年代初頭のことで、それからほぼ60年間真理普及の活動に携わったわけですが、その間地上に起こった変化についてこう述べています。

「大雑把に言えば、地上における変化は文明化といわれる過程でしょう。(中略)物質的な面ではひじょうに高度なものを成就しました。驚異的な発達ぶりであったと言えましょう。」

 時代の変化も波を描き、物的な発展が急速に進み、やがてそれが頂点に達したあと、今度はいろいろな弊害の出る下降期に至ります。シルバーバーチが地上を去ってから40年を経て、天災ではなく人間自身が原因となって飢餓や災害が頻発するような時代は谷の底部分に落ち込んでしまっているのではないでしょうか。これ以上物質的な発達ばかり追い求めても苦しみが増すばかりでしょう。これからはぜひとも別の面、今まで注目されずおろそかにされてきた面の発達が必要です。

「人類は物質と精神と魂のうちの物質面が異常に成長してしまいました。他の2つの側面がそれについて行っていないのです。それが利己主義という、地上でもっとも厄介な罪を生むことになったのです。」

「物質面での発達を、全面的ではなくてもいいから、霊的ならびに精神的側面にもある程度反映するようにならないかぎり、人類は自らの存在の産物、自らの創造の成果を平和的生活の中で味わえるようにはならないということです。そうならないかぎり地上には混沌と無秩序と不協和音が絶えないということです。良いことをしようという意欲を起こさせ、協調と奉仕の仕事へ鼓舞するのは精神と霊の発達なのです。」

 これからの最低限100年くらいは精神的、霊的発達の方に力を注がない限り、人類は不協和音の世界の中で自分の首を絞めながら苦しみ続けることになりかねません。それとは打って変わって地上天国を実現しようとするなら、実はそれはそんなに難しいことでもなんでもなく、精神的霊的発達を志すことで自ずと実現へ近づくのです。

「精神と霊の発達は利己主義を滅ぼし、代わって霊的教訓をもたらします。精神と霊に宿された才能を開発し、その上で物質的文明の産物を一人のためでなく他のすべての人たちのために活用するようになれば、いわゆる地上天国が実現されます。地上世界の全ての人間が自分より不幸な人のために役立てる何らかの才能を具えているのです。」

 精神と霊を発達させることはよりよい世界の実現はもとより、全ての人の才能を開花させることにもつながるのです。これは一人ひとりにとってもなんとすばらしいことではないでしょうか。

(「シルバー・バーチの霊訓7」8章)